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 前回、歯に見られる黄色いものは虫歯ではなく歯石だとお話しました。今回は、歯周病の発生と歯石の形成についてお話します。

歯周病とは、歯肉、歯周靭帯、歯槽骨など歯を維持している組織の疾患の総称です。歯周病の原因は歯垢(プラーク)で、口腔内の細菌と食べかすや唾液中のある成分から形成されています。歯垢は粘稠性があるため、簡単には落ちず次第に歯の表面に溜まっていきます。また、特有の臭いを放ち口臭となります。この溜まった歯垢は、唾液中のカルシウムやリンを取り込んで固まり、やがて黄色っぽい褐色の歯石を形成していきます。歯石は、年月をかけて壁に泥(この場合は歯垢)を塗るように幾重にも層をなして厚くなり、最後にはすっぽりと硬い鎧のように歯を覆います。歯石そのものには害はないため歯は傷みませんが、その表面を覆う歯垢は細菌の巣窟なので、結果として歯の周囲の組織に細菌感染による炎症を招きます。


 さて、ちょっとムズカシイ話になってきましたがもう少し。これまででおわかりかと思いますが、危険なのは歯垢です。歯垢と接している歯グキ(歯肉)は、細菌の影響で炎症を起こし赤く腫れてきます。これを歯肉炎といいます。すると歯と歯肉の間に隙間ができます。

これをいわゆる歯周ポケットといい、歯垢そして歯石がどんどん侵入していきます。歯肉炎がさらに悪化していくと、歯肉が萎縮後退し、歯周靭帯、歯槽骨も破壊され、最終的には歯を支えるものがなくなってしまい、歯は抜け落ちます。

  イヌやネコの歯は円錐形をしていますね。これは裂肉歯といい、読んで字のごとく獲物を捕らえて一口サイズに引き裂くのに都合がいいようにできています。野生の猛獣が歯石だらけの牙でガオーと咆えても絵になりませんが、確かにそんな牙見たこともありませんね。これは、獲物の被毛や硬い皮膚、筋肉などを引きちぎることによって、付着した歯垢が自然に削ぎ落とされているからなのです。しかし、ペットは獲物を捕らえる必要がありません。ペットフードや人間食では、歯垢を削ぎ落とすまでには至りません。人が食事を支配する、つまり人が食を司る(飼う)ようになったことが、動物の歯周病の最大の原因であると言えるでしょう。ならば、ペットの歯磨きは飼主の義務です。次回は、歯磨き方法についてのお話です。
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