どうぶつ村は人と動物が共生するためのルール作りの基盤を作り上げていきたいと考え、福岡市東区を拠点に
地域ボランティア活動やドッグランの整備を進めております。

理事長エッセイ ドッグラン伝道話し 「ワンワン伝道」Part8

高齢化社会における“高齢ペット”介護問題

現在65歳以上の高齢者といわれる年代層の総人口に占める割合が25%を超えた。
今後20年先には33%を超え、3人に1人が高齢者の時代を迎える。
やがて来る高齢化社会における“家族のあり方”を含め、家庭生活の中での高齢者と高齢ペットとの関係。
すでに現実問題として高齢ペットとの問題を抱えている飼養者や家庭もある。
飼養者として避けられないこの課題について、伝道話は「老犬介護の問題」に今回少し触れてみた。
イヌの年齢は人の年齢に換算すると生後1年で小・中型犬で約17歳。
大型犬だと約12歳で、その後の1年毎に小・中型で4歳、大型では7歳増えていく。
生後10年で大型犬は75歳となり、小・中型犬では15年で同等の年齢となる。
大型犬で生後8年、小・中型犬であれば12年くらいの年数になれば個体差はあっても人間と同様、身体的に動作行動が緩慢になり老いが見て取れるようになる。
人と同じように認知症が出たり、徘徊で外にでも出れば戻れなくなる。
やがて足腰が立たなくなり、横になった状態での排便でオムツが必要になる。
身体には床ズレが出来、人の手によっての介護が必要となる。
家庭内で老人介護の経験があればそれと全く同様の状況が展開するのである。
人がそうであるように常に身の回りの世話をしてくれる介護人が必要になる。
今更ながら家族同様の生活をしてきたワンコに“イヌだから”といい加減な扱いができるだろうか?
さりとて個体差はあっても2〜5年の間、家庭内の誰が完全介護体制で面倒を見ることが出来ようか?
ここに考えられる一つのケースを想定してみよう。
10年前から、夫婦二人で家族として飼養してきたワンコがいる。
一昨年、連れ合いが亡くなり、ワンコと二人だけでこの2年を過ごしてきた。
周りからはそろそろ介護施設などの入所を勧められるが、ワンコを同伴できるような施設は聞いたことはあってもとても高額らしい。
ましてや他人にワンコを譲渡するようなことはしたくない。
動物病院でも“老犬介護”の院内体制が備わっているところなどはまだ聞いたことがない。
高額な費用負担は無理だが、廉価な費用で自分に代わって面倒を見てくれる施設があれば自分も楽だし、安心して預けたい。
淋しがりやのワンコには遊び仲間もいるほうがいい。
たまに時間があれば散歩も一緒にしてあげたいし、好きなおやつでも持って様子も見に行きたい。
そのような施設の実現を目指して研究を進めています“NPOどうぶつ村”は。

 
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